子供の頃の年賀状

最近は年賀状は返すのも送るのも面倒だということで親しい間柄の人であればお互いやめとこう、なんて話もしますしメールやラインが普及して若い人はより年賀状離れしてしまいましたね。それも時代の流れである以上否定するつもりはありませんが、私が小さい頃はお正月の楽しみといえば年賀状でした。早々と出す人を指折り数え、親に今年は何枚頂戴といってもらっていました。来年の干支をサインペンやクレヨンで一生懸命下手なりに書き、親しい友達には炙り絵といって日で炙ると文字や絵がでてくる仕掛けで驚かせたものでしたね。

そしてなんといっても子供の年賀状での1大イベントが好きなあの娘に年賀状を送ることです。好意があることを悟られぬよう上手に住所を聞き出し、他の年賀状とは1線を画すクオリティーと気合いで書き上げるのです。さりげない一文に好意をすこーし滲ませながらそれが気づかれないかとドキドキしたものです。

そしてすべてを投函し終わり元旦を待ちます。朝から郵便屋さんが来るのが待ち切れずソワソワ。バイクの音が聞こえたら一目散に郵便受けへ走りました。そして父や母宛ての分厚い束を持ち父のもとへ渡します。すると父はみんなを集めてこれは誰、これは誰、と仕分けていくのです。自分の名前が呼ばれただけで誰からきたなんて関係ないくらいに嬉しかったです。とはいえ1番の目的は意中のあの娘。段々薄くなっていく年賀状の束を見つめながら胸がしめつけられます。最後の1枚を父が取った瞬間私は絶望に襲われました。そうですあの娘からは来ていなかったのです。

泣きそうになる気持ちを抑えてなんともない顔をします。しかし心は締め付けられたままです。モヤモヤしながら配達が休みの2日を越え3日にその娘からの年賀状は来ました。私があんなに準備して元旦に着くように出していたことを考えるとその娘のと温度差を感じ私の淡い初恋は終わりました。